S2E9 ブラックウォーターの戦い

"ブラックウォーターの戦い"
"Blackwater"

今回は戦闘がほとんどなので戦闘好きには神回
ただの戦闘シーンだけでなく戦時の女性や非戦闘員の状況もよくわかる
※ネタバレ注意だぞ


●キングズランディングにて
スタニスの軍勢がキングズランディングに迫る。
ブラックウォーターというのはキングズランディングに面する湾のこと。
スタニス海軍を率いるは玉ねぎ騎士ことダヴォス・シーワースである。彼こそはGOTの中でも数少ない戦略級の指揮官で、先の読める男なのだ。(息子は狂信者で低能なのが残念至極だが)
 スタニス軍は軍艦の数で王の軍に対して10倍、兵数では5倍というから大したものだ。これなら力攻めによる城攻めも戦術として選択可能だろう。
※城攻めには3~10倍の兵数が必要といわれる

 ティリオンは深夜、ベッドで寝付けないでいる。
数で優勢な敵が攻めてくるとなれば守勢の将としては不安に違いない。
キングズランディングに兵がいない理由は、おそらくロブ率いる北部軍にあたっているからに違いない。その間隙をついてスタニス軍が攻めてきたのである。

サーセイはパイセルから「夜の陰り」という薬を入手する。
それは精神安定剤であり、睡眠導入剤であり、多量摂取すれば死に至る秘薬であるのだ。

ブロンは酒場で兵たち、そして娼婦たちと盛り上がる。近いうちに戦場で命をかける兵たちにとってはつかの間の慰めであろう。
そこへハウンドが現れ、ブロンを見て言い放つ。

「豪傑気取りか?」


これにはブロンも兵たちも鼻白まざるをえない。
だが、ブロンはその程度の挑発は軽くあしらう術を心得ている。
一触即発の空気が場に重く立ち込める。

背中に隠した短剣に手をやるブロン。

その時、敵襲を告げる鐘が鳴り響いたのであった。
兵たちは持ち場につくためにあわただしく酒場を去り、ブロンとハウンドも互いに矛を納めたのだった。

 ティリオンは、ヴァリスにキングズランディングの地下道の地図を求めていた。逃げるためのものかとヴァリスはティリオンに問うが、彼はこう答えた。

「逃げる気はない。俺はこの船の船長だ。沈むときはともに沈む。」


この言葉が真であればティリオンこそ勇者であろうと思う。
勇者とはたとえ腕力に勝らなくとも胆力で他人に勝っていればよいのだ。





鐘の音が鳴り続ける。


船上のダヴォスは威嚇し、威圧するためバトルドラムを鳴らすよう命令する。
一方、ジョフリーは・・・ハートイーターと名付けた剣を・・・

まあ彼の行動は書くだけ意味ないから、いいかなw


迫る敵、少ない味方、しょぼい王・・・王の手は大変である

 もし私がダヴォスなら、まず城門よりも敵の船団を捕捉し無力化するかなあ。そうすれば制海権を完全に把握することができ、その後に敵を包囲すれば兵糧攻めにすることもできるだろう。キングズランディングを飢えさせる一方で北部軍と連携を取り、平野でラニスターを挟撃すれば玉座はスタニスのものだ。

ものだったのに・・・不用意にスタニス軍は城門に近づいてしまったのだ。
そして一艘の船がスタニス船団に近づいてきた。
無人の船を訝るダヴォス。

気づいた時には、無人の船は「ワイルドファイア」を垂れ流していたのだ。そこへ運命の火矢が・・・


運命の火矢(仮称)


消し飛ぶ船団

戦術における重要な要素に、「敵主力を無力化する」というものがある。
今回、圧倒的な火力を持っていたスタニス船団を一撃にして無力化することに成功したティリオンの戦術はあざやかというほかない。

 たった一本の火矢によってスタニス軍は灰燼に帰したのだった。
ワイルドファイアのあまりの威力に言葉を失うティリオン。

もしこれがキングズランディングの地下で誘爆したら・・・?

賢い彼ならばすぐにそう思っただろう。

船団の壊滅にもかかわらずスタニス直属軍は戦意を失わなかった。
数千の揚陸部隊を繰り出し、自らの陣頭指揮のもとキングズランディングの浜辺への上陸に成功する。

城からの火矢や投石が雨霰と襲い掛かる。
それでもスタニス軍の進撃は止められない。
意外と兵を統率できる戦術家としての才能があったのだな。

 一方、ラニスター側の指揮官ハウンドは部下の半数を失い、彼自身、苦手としている(トラウマ)の火に囲まれ、戦意を失っていた。

「犬、早く戻って戦え!これは王の命令だ!!」

 居丈高に命令するジョフリー

「王など知るか!」

それがハウンドの答えだった。 言い捨て、ジョフリーとティリオンを残し、どこへともなく立ち去っていく。


ちなみにこれは完全に敵前逃亡である。


破城槌がついに城門をこじ開けようとするにいたり、ジョフリーはサーセイの言葉通り前線を離脱する。誰のために戦うのか。

兵たちは戦意を失いそうになる。



そのとき、ティリオンが演説を行った。



王のためでもない、王国のためでもない。名誉や栄光でもない。ここを破られればお前たちの全てが奪われる。 俺たちの門をたたくとはいい度胸だ。ぶっ殺してやろう!!


 この演説で兵たちは鼓舞され、劣勢ながらも奮い立ったのであった。



城門が破られる前に、ティリオン率いる決死隊が敵の背後に回り込み破城槌を破壊・・・したのもつかの間、スタニスの新手が襲い掛かる。
ティリオンは戦場の混乱のどさくさに彼を暗殺しようとした金マント隊によって顔を切り付けられ重傷を負う。命を失いそうになる刹那、ポドリックが彼を救ったのであった。

敗色濃厚なラニスター軍。そこへ現れたのは北部軍を攻撃中だったはずのタイウィン率いる別動隊とロラス率いるタイレル家の連合軍であった。これによりスタニス軍は潰走。

キングズランディングは救われた(?)のであった。
















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