S2E1 王の乱立

●王の乱立



キングズランディングにて


ジョフリーは王となり、王の権威・権力を傘に専横的かつ暴力に振る舞っている。

モンスター・ジョフリー

この日は、命名日の余興として兵士たちによる殺し合いを見物していた。


試合に遅れてきた兵士がいた。


ワインを飲んでいたため遅れていたという彼を、ジョフリーは兵を使って捕らえ、樽からしこたま飲ませ、窒息死させようとする。


サンサとハウンドはこれを制止し、彼を道化とするよう勧め、ジョフリーはしぶしぶ受け入れる。

そこにティリオンが現れ、エダードの死についてサンサにお悔やみを言うが、サンサはエダードの死は、反逆の罪であるから当然という。

サンサは自らの身を守るため、完全に己を殺し、ジョフリーのいうことに決して異を唱えることはなくなっていた。完全にDVの症状である。

ティリオンは戦場からキングズランディングに戻ってきており、何食わぬ顔で小評議会に出席する。サーセイは彼の席はないというが、ティリオンはそれを無視する。

なぜなら彼は、タイウィンによって「王の手」(王に次ぐ政権ナンバー2)に指名されているのだ。

ティリオンは、ジョフリーの悪手(エダードの無意味な処刑)を止められなかったサーセイを責める。
ジョフリーがエダードを気まぐれに殺害したことで、南北の亀裂は決定的となっているためだ。

あまつさえ、人質としていたアリアに逃げられ、その政治上の失態をタイウィンは激怒するだろうと脅す。


サーセイはリトルフィンガーにアリアの捜索を依頼する。
が、リトルフィンガーはまずヴァリスに相談することを提案し、婉曲的にこれを拒否する。


リトルフィンガーとサーセイは互いの秘部に関して毒舌の応酬をする。
(リトルフィンガーは貧家の出身で決闘に敗れたこと、サーセイはジョフリーがジェイミーとの不義の子であること)


リトルフィンガーは言う
「知識こそ力になる(Knowledge is power )」

それに対してサーセイは、護衛の兵にリトルフィンガーを殺すように言い、リトルフィンガーが恐怖の表情を浮かべるとすぐに止めさせる。

サーセイが示したのは、リトルフィンガーより立場が上であることを兵への命令を以って示したのであった。
彼女曰く
「力は力である(Power is power)」


全く政治的センスのないジョフリーは戦場から離れて安全なキングズランディングではデカい口を叩くことができる。

その矛先はサーセイ(実の母親)にも向けられる。

サーセイはジョフリーから、ロバートのほかの女について質問を受け、怒りに任せて彼ををビンタする。

 ジョフリーはサーセイ(実母)に
「次やったら殺す。」
と脅しをかける。

サーセイはジョフリーの化け物性を感じ始める。

そして、ジョフリーはロバートの「落とし子狩り」を始める。
それは乳飲み子たどうろ子供だろうと関係なく、容赦のないものだった・・・


ウィンターフェルにて

エダードが死に、ロブが戦場にいるため、ブランとマイスターが代わりに政治を行う。ある夜、ブランは自分がダイアウルフになっている夢を見る。

その夢を検証するために、ブランはオシャとホーダーとともにウィアウッドの森に向かう。

空を赤い彗星が貫いていた。

彗星が表すのは
ロブの勝利、エダードの死、ラニスターの勝利・・・
いずれであろうか。


海の向こうにて

ドロゴを失い、後ろ盾を無くしたデナーリスは女性、老人、病人たちとともに旅を続ける。
途中、彼女の白馬が死に、頼るあてのない彼女は「このままでは民を飢えさせてしまう」と悲しみに暮れる。



壁の向こうにて

フロストファングに向かうジョン達、ナイツウォッチの一行はクラスターの家を訪れる。
クラスターは娘を妻にし、さらに娘を産ませるというおそるべき生活をしている。このような生活は生物的に破綻するだろう。
 
このあたりではクラスターの家しか、休息する場所がないため、いけすかないクラスターでも頭を垂れるしかないのだ。


ドラゴンストーンにて

赤の女祭司が浜辺で儀式を行う。赤の女祭司が進行しているのは「光の王」。

この宗教は一神教である。

ウェスタロスの主な宗教は七神教であり、元来、多神教であったのだ。

このあたりは、多神教が主であった古代ローマでキリスト教が広まっていったのと似ている。一神教のほうが信仰する対象が多神教に対して、より具体的であるため、「神」を敬う力が相対的に強くなる傾向にある。
そして、ほかの神を「神」として認めないが故に、多神教と比較してより他の宗教に対して攻撃的になりやすいのも特徴だ。

ドラゴンストーンではこの宗教が、赤の女祭司によって急速に広まり、この祭司が宗教だけでなく政治にも容喙していることが、重臣たちにとって脅威となっている。赤の女祭司は、神の加護によってスタニス・バラシオンの軍は守られており、どの勢力の助勢も必要ないという。

このあたり、現実性はまったくなくスタニスがこの女祭司を徴用する理由がまったくわからない。

 むちゃくちゃなことを言う祭司のそそのかされている主君、スタニスに諌死を決意した家臣が、差し違える覚悟で毒ワインを女祭司と飲むが、なぜか彼女は無事であった。


ロブの軍にて

捕らわれのジェイミー・ラニスターをロブが訪れる。

ロブはスタニスからの手紙より、ジョフリーがジェイミーとサーセイの不義の子供であり、王位継承権はないことを知っており、ブラン殺害未遂、エダードの処刑について推理した内容をジェイミーに話すが、彼は肯定しない。


ロブは、ジョフリーたちに対して最後通牒を突き付ける。

内容は「北部の永久の独立を認めること」。

このような条件を南部が認めるはずがない。
こんなことを認めてしまったなら、王の権威は失墜し、さらに離反が相次ぐ恐れがあるからだ。王国を分解してしまうような案を飲むはずがない。


シオンは南部に条件を認めさせるなら首都を落とすべきだと主張し、そのためには船が必要であり、鉄諸島(パイク)の船団が必要だと献策する。

ロブはキャトリンに相談するが、
キャトリンはロブに、鉄諸島との同盟は反対だという。

キャトリンの戦争目的はサンサやアリアの解放だが、もはやロブは妹たちの身よりも北部諸侯の代表として振る舞っており、母親の近視眼的な考え方とは距離を置き、より戦略的な視点で戦争を遂行しようとしていた。







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